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略式保証には、保証文句と保証人の署名はあるが、被保証人の表示を欠く場合と、保証人の署名のみがあって保証文句および被保証人の表示を欠く場合とがあります。
しかし、このような保証をすることは、主たる債務者である振出人や引受人の信用がうすいことを意味する結果にもなるわけで、これを手形面に公表するのは、かえって手形の信用を低めるともいえます。
そのため、実際の手形取引においては、保証が目的ではあるが、形式的には裏書をする場合が多いのです。
これを隠れた手形保証といいます。
もちろん外見からはそのような保証の目的があるとはわかりませんから、保証の目的であることは、当事者間の人的抗弁理由であって、その他の者には対抗できません。
また、おなじ債務者のために、数人が保証する共同保証もできます。
この場合には、それぞれの保証人が独立して手形の債務を負担する関係になります。
そのほか、「手形金のうち五万円に限って保証する」というような一部保証も有効にできるのです。
ぶ手形保証と共同振り出しの区別約束手形面の振り出し欄に単なる署名がされている場合に映るようにこれを共同振り出しとみるの保証、時効の引受るのか、振出人のための略式保証とみるのかは、かなり難しい問題です。
統一約束手形用紙には、あらかじめ、振出人の表示があるものの、ここになされた署名がすべて振り出し署名とみるのは適当ではありません。
なぜかといえば。
の筆頭者以外の者は、支払場所となっている銀行営業店と当座勘定取引を行っていないことが多いので、共同振り出しとみるよりも、自分の営業所または住所で保証債務を履行するものと考えるのが自然であり、交換呈示された場合には、不渡りとなれば約束手形の振り出し人は不渡り処分の対象となるが、保証人は除外されているので、筆頭者以外の者の不測の損害を防止できる、と考えられるからです。
この問題については、理論的にも、実際的にも、いろいろな考え方が生じてきます。
要するに商取引において、その記載方法がどのような趣旨で用いられているかを考慮して判断する必要があります。
判例をみてもさまざまですが。
二番目の署名が受取人の左下になされていて、振出人の署名と認められるには離れているとの判断から手形保証としたものや気くばりから手形保証と認めたもの
振出人欄の署名の肩書き地と支払場所との関係から二番目の署名を手形保証としたものなど、おおむね筆頭者の署名以外は、保証の趣旨であると認定しているものが多いといってよい状況です。
保証人は、前述のように、保証した主たる債務者(振出人または引受人)と同一の責任を負います。
この責任は、通常の保証責任ではなくて合同責任ですから、民法にいう普通の保証人と違って、催告の抗弁(まず主たる債務者に請求せよと主張すること、検索の抗弁(まず主たる債務者の財産に対して執行せよと主張すること)ができませんので、手形の所持人は保証された主たる債務者に対する支払い呈示をしなくても、保証人に支払請求することができます。
さらに、約束手形の振出人または為替手形の引受人が満期に弁済しなかったため、手形金額以外の年六%の法定利息や遡求に要した費用を負担するときには、保証人自身は満期に請求を受けなくても、同額の責任を負うことになります。
手形の時効手形、小切手に限らず、一般に債権はある期間行使しないままでいると、時効にかかって消滅します。
そうしないと、法律関係の決着が長期間つかないまま継続して不安定になり、社会生活に混乱を生じるおそれがあるためです。
手形、小切手上の権利については、取引関係をすみやかに終了させる必要が強いので、特別に短い消滅時効が認められていますから、手形、小切手の所持人としては、十分気をつけなければならないといえます。
まず、手形の主たる義務者、つまり約束手形の振出人または為替手形の引受人に対する請求権は、満期(支払期日)の翌日から起算して三年後の満期と同じ日の前日に時効が完成し、権利は消滅します。
一般に、民事債権は十年、商事債権は五年で消滅時効となるのにくらべて、かなり短いことがわかります。
一覧払い手形の場合には、振出日から一年間のうちに支払い呈示する必要があり、そのときに満期が来ますから、三年の時効期間も呈示のときから進行します。
つぎに、所持人の裏書人あるいは為替手形の振出人に対する遡求権は、支払い拒絶証書を作成した場合にはその作成日から、拒絶証書の作成が免除されている場合(実際にはこれに該当します)には、満期日の翌日から一年で時効にかかります。
遡求義務を果たした裏書人が、他の裏書人あるいは振出人(為替手形の場合)にさらに遡求する権利は、手形を受け戻した日の翌日から六ヵ月で時効にかかってしまいます。
なお、小切手の場合には、所持人は振出人あるいは裏1人に対する遡求権を行使できますが、この権利は呈示期間経過後六ヵ月で時効により消滅します。
再遡求権も小切手受け戻しの日から六ヵ月が時効期間となっています。
もっとも、小切手の支払い委託は、呈示期間経過後に小切手が呈示されたとしても、取り消されていなければ有効ですから、支払人たる銀行はそ7の小切手の支払いをすることができます。
時効の中断効は一定の事実があると中断します。
それは、権利者が権利の上に眠っていないことを示す事実です。
具体的には、訴訟の告知、支払い請求、差し押さえ、仮差し押さえ等の強制執行、それに債務者側の承認行為です。
支払いの催告も、その後一定の期間内に法定の手続きをとれば、中断します。
問題となるのは、時効中断のためには、手形の呈示が必要条件かどうかということですが、最高裁判所は時効中断のための催告には手形の呈示を不要としています。
時効の中断は、相対的に生じるだけで、すべての手形関係者に及ぶわけではありません。
手形行為はそれぞれ独立しているという原則があるからです。
もっとも、判例によれば、共同振出人の一人に生じた時効中断の効果が、他の振出人についても認められるかどうかについて、これを認めることができるとしていますが、多数の学説は手形行為の独立性などからみて、認めるべきでないとしています。
手形抗弁を理解しておくほかに、手形が流通する途中で起こる変造や盗難、紛失あるいは手形そのものの偽造といった事態が生じたときには、迅速、的確な対応が必要となります。
公示催告による除権判決あるいは手形訴訟の制度が役立ちます。
あわせて会社が倒産にひんした場合の手形の取り扱いについても知っておきましょう。
手形抗弁手形は不特定多数の人の間を流通しますが、債権譲渡の原則からいえば、だれでも自分のもっている以上の権利を他人に譲渡することはできません。
また、譲渡人に対抗できる主張は譲受人にも主張できるはずですが、そうすると手形の流通を確保するのは難しくなりますので、特に法律の規定によって、善意で手形を取得した者の支払い請求に対しては、いわゆる相対関係にもとづく人的抗弁を主張できないとしています。
これを人的抗弁の制限といっています。
もともと手形抗弁、つまり手形上の請求を受けた者がその請求を拒否できる事由にはいろいろありますが、大切なことはその抗弁の対抗力の相違です。
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